樋口武男
凡事を極める
樋口武男と高知県、四国との関係
①1961(S36)年 大卒後に就職した大阪の中小鉄鋼商社「大源」の創業者は、高知県出身の下坂直美
②1963年、近藤征子と結婚。毛利耳鼻咽喉科診療所勤務。高知県四万十町出身。一目惚れして猛アタックして交際を始めた。
③大和ハウス工業の三代目社長 石橋殾一(しゅんいち)は創業者で二代目社長石橋信夫のいとこの息子で、旧制高知高校(高知大学)卒業
④母カホルは松山市の出身で、旧姓は藤原
大源の創業者下坂は「わらしべ(藁しべ)長者」
統制経済下で鉄の商売が難しくなったので船を友人と共同購入し、九州でいりこやヒジキ、セメントを仕入れた。いりこが売れ残ると、ある製鉄会社に「不足している食べ物の足しにどうぞ」と差し上げた。「お礼に」と製鉄会社からもらった線材20トンを釘に加工して故郷の高知県で売った。
わらしべ長者とは、わらを物々交換していくうちに大金持ちになるという話
昔、ある一人の貧乏な男がいた。貧乏から何とかして逃れようと観音様に願をかけたところ、「初めに触ったものを、大事に持って旅に出ろ」とのお告げをもらった。男は観音堂から出るやいなや石につまずいて転び、偶然1本の藁しべ(藁)に手が触れた。
男はお告げ通り、その藁しべを手に持って道を進んでいった。ところが彼の顔の周りを、大きなアブが飛び回り、煩くて仕方が無い。そこで男はアブを捕まえると、藁しべの先に結び付けてやった。
すると、傍で大泣きしていた男の子がアブが結び付けられた藁しべを面白がり、欲しいと言って来る。男は観音様のお告げを信じて譲ろうとしなかったが、大泣きに手を焼いていた男の子の母親が「蜜柑と交換しよう」と申し出てきたので、藁しべを男の子に譲り、代わりに蜜柑を受け取った。
さらに歩くと、喉の渇きに苦しんでいる商人がいた。彼は男が持っていた蜜柑を欲しがり、持っていた上等な反物との交換を持ちかけてきた。男は蜜柑を譲り、反物を手に入れた。
一本の藁しべが上等な反物に代わったと喜んでいた男は、侍に出会う。その侍は愛馬が急病で倒れてしまったが、急いでいるために馬を見捨てなければならない状況にあった。侍は家来に馬の始末を命じ、先を急ぐ。男は侍の家来に反物と馬の交換を申し出た。家来は反物を受け取り、そのまま侍の後を追っていく。男が水を汲んで馬に飲ませたところ、馬は元気を取り戻して立ち上がった。男は馬に乗り、旅を続けた。
道を進んでいくと、大きな屋敷に行き当たった。ちょうど旅に出かけようとしていた屋敷の主人は、男に屋敷の留守を頼み、代わりに馬を借りたいと申し出る。主人は3年以内に自分が帰ってこなかったら、この屋敷を譲ると男に言い出す。男は承諾し、主人は馬に乗って旅に出発した。
3年待っても5年待っても主人が旅から帰ってくることは無かった。こうして男は屋敷の主人となり、裕福な暮らしを手に入れることができた。
藁しべ→アブが結び付けられた藁しべ→蜜柑→反物→馬→屋敷
「大源」の営業が私の仕事。
大学(関西学院大学法学部)を出たばかりで仕事のイロハが分からない。様々な種類の伝票を1枚ずつ先輩の女子社員に見せて「これは何ですか」「どういう意味があるのですか」と詳しく尋ね、すべてノートに書き留めた。将来の起業に備え、何でも吸収してやろうと考えた。先輩のセールストークを丸暗記した。
転職のきっかけ
書店で見た週刊誌の見出し「モーレツ企業、大和ハウス」。ミゼットハウス、パネル式プレハブ住宅を販売する会社で、急成長中で社屋は一晩ずっと明かりがついたまま。
あるとき、「大和ハウス、歩合制セールスマン募集」を見て面会に行く。
大学の学費を稼ぐため20種類以上のアルバイトをこなした。中学生に数学の家庭教師もしていた。
国立大学法学部の受験に失敗して、関西学院大学法学部に入学
大和ハウス工業はS32(1957)年創業。1959年ミゼットハウス発売。1962年パネル式プレハブ住宅発売。創業18年売上高1000億円。創業34年売上高5,000億円。1969(創業41)年売上高1兆円。創業51年売上高1.5兆円。創業61年3.2兆円。創業100周年の目標は10兆円。
熱湯経営 「大組織病に勝つ」
熱湯経営 「大組織病に勝つ」樋口武男による 2014年10月11日
水五訓 曹洞宗大本山永平寺官長
1.自ら活動して他を動かしむるは水なり
2.常に己の進路を求めて止まざるは水なり
3.障害に逢ひて激して勢力を倍加するは水なり
4.自ら潔くして他の汚濁を洗ひ清濁合せ入るる量あるは水なり
5.洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり 雪と変じ霰(あられ)と化し凝しては玲瓏(れいろう)たる鏡となり しかもその性は失わざるは水なり
スピードは最大のサービス
今日の仕事は明日に残すな
サナギ(SANAGI)からのスタート
S=スピーディに,A=明るく,N=逃げず,A=あきらめず,G=誤魔化さず,I=言い訳せず
プロとアマチュアの相違
・成長を求め続ける 現状に甘える
・自信と誇りを持つ 愚痴っぽい
・常に明確な目標を指向する 目標が漫然としている
・可能性に挑戦する 経験だけに生きる
・自己訓練を習慣化している 気まぐれである
・使命感を持つ 途中で逃げ出す
・やれる方法を考える できない言い訳を探す
経営は,強い意志を持って地べたを這う者だけが勝つ
祖母に叩き込まれた教え
1.嘘とごまかしは絶対あかん
2.人に迷惑をかけることは,あいならん
3.闘ったら,必ず勝て
人の縁というものは,苦情からこそ生まれる。不具合に対して苦情をいわずに済ますお客さまからは二度と仕事を取れない
注文には迅速・正確に応じよ。クレームにも誠意とスピードを持って応える。信頼の連鎖が大事。
「ホウレンソウ」は大事であるが,「明るい挨拶,思いやり,整理整頓」の「凡時徹底」を励行させる
カンが先で理論は後や。理論ばかりこねまわしていては,創造的な事業は何一つ生まれてこない。
カンで得たものを理論で練り上げ,数字で検討し,調査で分析し,脈があるとなったらテストケースをつくり,そこでノウハウを掴んだ後に本格的に進出する。
リーダーの品性四箇条
・公平公正
・無私
・ロマン
・使命感
長たるものの四つの力
・先見力
・統率力
・判断力
・人間力
人間力とは,沈着の中にも果断である。あたたかさの中にも重みがある。明るい。包容力がある。愛嬌がある。侠気がある。つまり,人間的な魅力があること。
成功する人の十二箇条,失敗する人の十二箇条
1.人間的成長を求め続ける 現状に甘え逃げる
2.自信と誇りを持つ 愚痴っぽく言い訳ばかりする
3.常に明確な目標を指向する 目標が漫然としている
4.他人の幸福に役立ちたい 自分が傷つくことは回避
5.良い自己訓練を習慣化している 気まぐれで場当たり的である
6.失敗も成功につなげる 失敗を恐れて何もしない
7.今ここに100%全力投球 どんどん先延ばしにする
8.自己投資を続ける 途中で投げ出す
9.何事も信じて行動する 不信感で行動できない
10.時間を有効に活用する 時間を主体的につくらない
11.できる方法を考える できない理由が先に出る
12.可能性に挑戦しつづける 不可能だ無理だと考える
人間力を磨くための「かきくけこ」
か 感動。
き 興味
く 工夫
け 健康管理
こ 恋
アイディアは苦し紛れの知恵である