顧客の創造 ドラッカーの経営思想から学ぶ

2011年4月9日 プラスワン15周年記念例会 畑中和義より

 

 

ドラッカーの5つの重要な質問

①私たちの事業(使命)は何ですか

②私たちの顧客は誰ですか

③顧客にとって価値あるものは何ですか

④私たちはどのような成果を達成してきましたか

⑤私たちの計画は何ですか

 

ドラッカーのマネジメントの定義

組織で成果をあげさせるための道具、機能、機関がマネジメントである

 

マネジメントの役割

①組織の使命を果たす

 ・経済的な成果を上げる

 ・経営資源の生産力を向上させる

②働く人を生かす

 ・生産性をあげる

 ・ひとり一人の人間性を重視し、仕事を人に合わせる

③社会的責任を果たす

 ・社会に財とサービスを提供する

 ・現在社会の社会的環境に関心を持つ

 

企業とは何か

①企業は営利組織ではない。

②利潤動機には意味がない。

③利益は個々の企業にとっても、社会にとっても必要である。それは企業や企業活動にとって目的ではなく条件である。

④利益は、企業活動や意志決定の妥当性の判定基準となるものである。

⑤企業は高い利益を上げて初めて社会貢献を果たすことが出来る。

 

企業は金融商品のような利潤だけを目的にしてはいけない。ドラッカーは、リーマンショックに警笛をならしていた。

 

企業は利益をどのように考えるべきか

①利益は成果の判定基準

②利益は不確定性というリスクに対する保険

③利益はよりよい労働環境を生むための減資

④利益は医療、国防、教育など社会的サービスをもたらす原資

 

 

事業は何か

①自社をいかに定義するか

②我々の事業は何か

③顧客は誰か

④顧客は何処にいるか、何を買うか

⑤「我々の事業は何か」といつ問うべきか

⑥我々の事業は何であるべきか

⑦我々の事業のうち何を捨てるべきか

 

事業の定義が有効であるための4つの条件

①環境、使命、強みについての前提が、それぞれ現実に合致しなければならない。

②環境、使命、強みについての前提が、それぞれ互いに合致していなければならない。

③事業の定義は組織全体に周知徹底しなければならない。

④事業の定義は絶えず検証していかねばならない。

 

組織が目標を達成したときに、事業は陳腐化する。

目標を達成したときに定義を考え直す。予防策を講じる。

事業の定義を見直すのは賢さではなく問題意識である。

 

事業の目的は顧客の創造にある。顧客を満足させることは、事業の使命であり目的である。

 

 

すべては顧客を理解することから始まる

①顧客は誰か

②顧客にとっての価値は何か

③それではあなたは何を成果とするか

④あなたの顧客戦略は何か

 

顧客とは

①顧客とはもはや受け取るだけの存在ではない。パートナーである。彼らとの関係は単純ではない。背後のコミュニティーとも関係を持たなければならない。

②顧客のニーズと欲求を理解しなければならない。そのためには、個としての顧客に対峙することである。顧客一般なるものは存在しない。

③成果は顧客毎に発生する。しかし顧客は成果を直ちに理解する。

④顧客戦略の成果は、提供する材やサービスだけでなく、顧客との密着度によって左右される。

⑤顧客戦略は自らの強みを結集したものでなければならない。

 

顧客は誰か

①顧客とすべきは誰か

②使う人か、買う人か、決める人か、周りの人か(市民)

③誰を顧客とし、誰を競争相手とするか

④顧客でないのは誰か

⑤ノンカスタマー(顧客になってもおかしくないのに顧客になっていない人達)のうち関わりを持つべきは誰か

 

顧客ロイヤリティを知る究極の質問(フレッド・ライクヘルド)

「今日、私どもからお買いいただいた商品、サービスを友人や同僚に勧める可能性はどれくらいありますか」

 口コミが大きい。お客さんを営業マンにする。

 

顧客の価値

①顧客の満たされていない価値は何か。それを満たすことができるか。

②顧客にとっての価値と、わが社にとっての価値は一致しているか。

③顧客にとっての価値は、何から影響を受けやすいか。

 

価値の誤解

①価値としての価格そのものが、単純なコンセプトではない。

②価格は価値の一部に過ぎない。

③サービスをはじめてする顧客側の価値観がある。

 

人口構成の変化

①産業の外部で起こるあらゆる変化のうち、人口構造の変化ほど明瞭なものはない。これらの変化はリードタイムまで明確である。

②人口の総数はそれほど大きな意味はない。年齢構成の方がはるかに重要である。

 

認識の変化

①「コップ半分満たされている」というのも、「半分からである」というのも意味は同じであるが、人間にとって二つの意味するところは全く異なる。

②拙速の内に認識の変化を利用しようとするものは危険である。その大半が一時的な流行に終わってしまうからである。