儒教
■「天の時,地の利,人の和」(孟子の教え)
天の時は地の利に如かず
地の利は人の和に如かず
天のもたらす幸運は,地勢の有利さには及ばない。
地勢の有利さは,人の心の一致には及ばない。
■吉田新一郎著「効果10倍の教える技術」PHP新書
聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やったことは、分かる。見つけたこ(発見したこと)とは、できる。(老死)
記憶に残る割合(アメリカの研究者の調査)
聞いたことは 10%
見たことは 15%
聞いてみたときは 20%
話し合ったときは 40%
体験したときは 80%
教えたときは 90%
学びで大切なことは、教師や講師が言ったり、パワーポイントなどのメディアで何かを見せたりすることではなく、学習者が言ったりしたりすることです。
教育の鍵は、知識よりむしろ「問いかけること」です。
思考を刺激する「いい質問」
・焦点を絞り込む質問
・比較することを求める質問
・はっきりさせるための質問
・さらに調べることを促す質問
・理由や背景を求める質問
四耐四不 したいしふ
安岡語録の「一燈照隅、萬燈照国」の一節に、陽明学の祖、王陽明の「四耐四不の辞」がある。これは、高い志を持っていれば、多難の状況でも耐え、諦めずに目標に至るまで、全うすることが大事と説いたものです、
・四耐四不の辞
「冷えに耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え、激せず、躁(さわ)がず、競わず、随(したが)わず、以って大事をなすべし」(王陽明)
「冷たい扱いを受けても我慢し、もろもろの苦しみにも耐え、どんな煩(わずら)わしく、雑用が多くとも乗り越えていく。また、時に左遷されたり、閑職におかれても、気にしないで悠々自適とする。
そして、どんなことがあってもカッとしたり、嬉しいことがあったからといって、はしゃぎまわったり、むやみやたらとライバル意識を燃やさず、といって付和雷同もしない、という姿勢を常に持っていないと、天下の大事はなせない」(平井外四元)
*参考資料:「安岡正篤一日一話」、植田正也著「電通 鬼十則」
先日、激動の昭和の中、多くの指導者を指南してきた思想家・安岡正篤先生の御子息で、今も安岡学を研究しており、私も師事をしている安岡正泰先生を訪ねた。私は、政権交代が行われ、国の形が変わろうとする今、政治は何をなさなければならないのかと尋ねると、先生は「礼儀修まらず、内外別なく、男女淫乱にして、父子相疑えば、すなわち上下乖離し、寇難並び至る」と答えられた。これは中国の荀子の言葉で、「政権がどうなろうと、礼儀を忘れ、内も外の区別もつかず、風紀が乱れ、親子がお互いに疑えば、全てにおいて心は離れていく、こんな世の中になると必ず国は滅びる。そんな世の中にさせないために政治がある」という意味である。また、政治家としての心得として、「世間の冷たさに耐えなければならない、苦しいことに耐えなければならない、煩わしさに耐えなければならない、ひまにも耐えなければならない、興奮してはならない、バタバタしてはならない、つまらない人と競争をしてはならない、人のあとをのろのろついて行くのは最もいけない。そして大事を成さなければ成らない」と清の名臣曽国藩の「四耐四不」の言葉をいただいた。