ドラッカー P.F.Drucker
上田惇生監修、佐藤等編著:実践するドラッカー「思考編」より
本に書いてあるものは情報。情報を仕事に活用して成果に結びつける能力が知識。
経営者の条件
①時間を管理すること
②貢献に焦点を合わせること。
③強みを生かすこと。
④重要なことに集中すること。
⑤成果をあげる意志決定をすること。
肉体労働者のことをmanual warker。manualは「手先の」「手を使った」という意味。「決められたことを自分で判断せずにそのまま行う」ことが「マニュアルとおり」
組織として成果を上げるための優先順位
must→can→will (しなければならないこと→できること→やりたいこと)
組織で仕事をする人は、この順番を間違ってはいけない。出来なければ組織を去ること。
生産性を上げるための条件
①仕事の目的を考えること
②自ら生産性向上の責任を負うこと
③イノベーションを継続的に行い、新しい価値を生み出すこと
④自ら継続して学ぶこと
成果をあげる方法
①今の自分が持っているものを最大限に引き出すこと。
②更に成果を出すために何を身に付けなければならないかを問い、それを修得すること。
上手くいかないのを環境や他人のせいにすれば思考停止を招き、成長の機会を逃がす。
自分の未熟さを知り、試練をチャンスと前向きに捉えれば成長を続け競れる。
知識ではなく叡智に、力ではなく自己規律に、成功ではなく卓越性に焦点を合わせた生き方をすること。
卓越性を追求するプロセス
①卓越性を得る分野や能力を決めること
②それを獲得するための時間やエネルギー、お金などを集中させること
③卓越性を極めるために自分の強みを徹底的に利用すること
日常の経験を振り返ると宝の山がある
「予期せぬ成功」の裏に、自分が気付いていない強みが発揮されている可能性がある
「予期せぬ失敗」を徹底的に分析すると、一部を修正するだけで大きな成果を生み出すことがある。
人に教えることほど勉強になることはない。
人の成長の助けとなろうとすることほど自らの成長になることはない。
定期的に検証と反省を行うこと。
①優れた仕事は何か
②一生懸命やったしごとは何か
③一生懸命やらなかった仕事は何か
④お粗末な仕事や失敗した仕事は何か
⑤集中すべき事は何か
⑥改善すべき事は何か
⑦勉強すべき事は何か
ドラッカーの人生を変えた7つの経験
①目的とビジョンをもって行動する
②神々が見ている
③1つのことに集中する
④定期的に検証と反省を行う
⑤新しい仕事が要求するものを考える
⑥書き留めておく
⑦何によって知られたいか(有名になりたいか)
実践が習慣化されてはじめて来夏を連続してあげられる。
思考習慣と行動習慣が相まって成長のエンジンが形成される。
成果は自信を生み、自信が積もってさらなる高みを目指すことができる。
人に知られる(憶えられる)ようになることが大事。そのためには、
①人とは違う何かを持つこと。違いを生み出すこと。
②日々実践して成果をあげ続けること。
③他人に影響を与えることではじめて憶えられる。「あの人のおかげで」というときに長く記憶に留められる。
強みを生かし、卓越性を磨くこと。
貢献に焦点を合わせることによって、自らの狭い専門やスキルや部門ではなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けること。
組織が成長するほど、特に成功するほど、組織に働く者の関心、努力、能力は組織の中のことで占領され、外の世界における本来の任務と成果を忘れていく。
仕事に慣れれば慣れるほど、過去の経験や成功をもとに、顧客はこういうものを求めるだろうと思い込んでしまいがちであるが、常に顧客の立場から、情報を知識に転換していくことが重要。
来店している顧客だけにとらわれるのではなく、まだお店に足を運んでいない顧客をどのように振り向かせるか、そのためにはどんな商品が必要かを考え抜くことが大事。
組織として成果をあげるべき3つの領域
①直接の効果(売上、利益、顧客数)
②人材の育成
③価値への取り組み
顧客の価値(顧客が支持してくれる理由を明らかにすること)
組織の価値(学ぶ土壌を作ること)
個人の能力を組織の成果に転換するには、組織が要求する貢献は何かを、ひとり一人が考える必要がある。貢献に焦点を合わせれば、どんな仕事を、どれくらいの基準で、誰に対して行うのか、あるべき人間関係はどのようなものか、会議や報告の目的は何か、といったことが分かるようになる。
自由とは解放ではない。自由とは、自らの意志で行動でき、その意志決定に責任を負うことである。
職場が和気藹々としていても、成果に焦点が合っていない組織は衰退の道をたどる。
個人が組織に貢献するには、3つのプロセスが必要
①なすべきことを明確にする
「あなたが貢献するためには、何をしなければならないか」を問うこと
②そのために必要な知識やスキルを磨く
他人に育成してもらうのではなく、自ら学ぶ姿勢を身に付け、行動すること。
③行動する
目的や目標を組織で共有し、貢献のリレーをつなぐ組織とすること。
なすべき貢献をを考えるときの3つの要素
①状況が何を求めているのか
②自分の強み、仕事の仕方、価値観からして、いかにして最大の貢献をなしうるか
③世の中を変えるには、如何なる成果を具体的に上げるべきか
成果をあげる目標のたて方
①目標には日付を入れること。期間は1年から1年半とすること。
②目標は、やや実力を上回るぐらいで、測定可能な形で設定すること。
③行動計画は、目標到達までのプロセスを考え抜いて設定すること。ゴールから逆算して、どこで、何を、いつまでに行うのかを決めること。
④1つの行動について、「○○を行う」と具体的に書き、翌朝からすぐ実行できる形にしておくこと。
第1はミッション。成果を上げるには、進むべき道を見据える必要がある。これが組織のミッション。ミッションは、追及し続けるもの。
第2はビジョン。目を向けるのがビジョン。ビジョンは期限付きの到達点。到達点のイメージを鮮明にするほどたどり着く可能性が高まる。
第3は目標。ビジョンをいくつかの目標に分割する。
コミュニケーションの基礎は、聞くこと。聞くためには、問うこと。「聞け、話すな」
人の成長は仕事と共にある。趣味や娯楽では成長を促すことはできない。趣味や娯楽は自己完結する世界であるため。仕事の中で成果を出して生き抜くには、日々の鍛錬と自己開発が欠かせないため。
強みと弱みは表裏一体。大きな強みを持つ者は大きな弱みを持っている。
弱みを克服するのは時間の無駄。自分を最高に生かすには、強みに集中すること。
弱みを克服するのは、強みを伸ばすことである。
部下の「できないことは何か」を考えるのではなく、「できることは何か」を考えるようにすれば、強みを探し、それを使うという姿勢を身に付けることが出来る。
部下の「できることは何か」を日々考えるようにしていると、自分のできることは何かも見えるようになる。他人の強みを生かすことを考えると、自分の強みを伸ばすことができる。
優先順位の原則
第1に過去ではなく未来。
第2に問題ではなく機会
第3に横並びではなく独自性
第4に内部ではなく外部
過去、問題については、既に事柄や事象が起きているので分析が可能。過去については、同業他社を参考に出来る。
未来や機会、独自性も類例がないため分析できない。未知なるものへの挑戦となるので勇気が欠かせない。
本当に行うべきことは、優先順位の決定ではない。劣後順位の決定である。取り組むべき仕事の決定である。
劣後順位の決定とは、手がけてはいけないものを決めること。リスト化しておくのが良い。